歯の根の虫歯に要注意!重症化しやすく気が付きにくい「沈黙の虫歯」
- 2024年1月15日
- 虫歯
みなさん、こんにちは! 歯のケアはしていますか?
肝臓、腎臓、膵臓は、症状を自覚した時には病気がかなり進行している「沈黙の臓器」と呼ばれていますが、歯にも「沈黙の虫歯」が存在することはご存知でしょうか?
この「沈黙の虫歯」になる部分はどこかというと歯の根っこの部分です。鏡の前で唇を下げて歯を見た時に、歯が伸びたように感じた時は要注意。実は、歯が伸びたのではなく、加齢などの原因で、歯茎が下がってしまったんです。そんな露出した歯の根元にできるのが「沈黙の虫歯」とされる歯の根虫歯(根面う蝕)です。
今回はそんな加齢とともにできやすくなる「歯の根の虫歯」についてお話ししていきます。
歯茎が下がり始めるのは30代からで、40代で8割以上、60歳にもなると100パーセント歯茎が下がってきます。歯茎は毎日少しずつ下がるので気が付かないうちにどんどん進行しています。
歯の根っこの虫歯を放っておくと、複数の歯が虫歯になり歯を失ってしまう原因になります。また、全身の病気にも関連するとされる歯周病を引き起こす要因にもなります。
歯の根っこの虫歯は重症化しやすいのに気が付きにくく、進行が遅いのが特徴です。知らないうちにかなり悪化していて、自覚した時には取り返しがつかないことに! …なんてことも珍しくありません。
なぜ歯の根元に虫歯ができるのかというと、歯茎から上の部分は人間の身体の中でもとても硬い組織であるエナメル質でできています。
このエナメル質に守られているのが象牙質です。正常な歯茎であれば象牙質はエナメル質で守られていますが、歯茎が下がると、象牙質が露出してしまいます。
象牙質は酸に弱くて溶けやすく、おまけに表面がザラザラしていて汚れがつきやすいので虫歯になりやすいのが特徴です。しかし、加齢とともにどうしても歯茎は下がり歯の根本が露出してしまいます。
下がった歯の根元の虫歯を予防するのに大切なのは「食後のケア」です。食事の食べかすをなるべく歯の間に残さないことが重要になります。食後5分以内に水または液体歯磨きを口にふくみ、頬を膨らませて勢いよくブクブクとうがいをしましょう。
うがいの後は歯磨きを念入りに行うようにしてください。普段通りの歯磨きにプラスして歯と歯茎の境目を意識して磨くようにしていきましょう。この時に力を入れてゴシゴシ磨くのはNGです。ゴシゴシと強く磨いてしまうと歯茎を傷つけて歯茎が下がる原因になってしまいます。歯ブラシは鉛筆を持つようにして歯に軽く当てて小さく動かし優しく磨きましょう。
高齢にもなると歯磨きをするのが難しくなります。そんな時は電動歯ブラシがおすすめです。力を入れずに毛先を軽く歯に当てるだけで汚れが落ちていきます。歯磨き粉はフッ素入りのものを選ぶといいでしょう。フッ素には歯の表面を保護する効果があります。歯間ブラシやデンタルフロスのような補助器具を使うのもおすすめです。歯磨きだけでは落とせなかった汚れを落とすことができます。
歯茎は年齢とともにどうしても下がってしまうものです。一度下がった歯茎を戻す方法は残念ながらありません。歯茎が下がっていると気が付いたら食後のうがいと毎食後の歯磨き習慣で「歯の根虫歯」にならないようにしていきましょう。
また、歯医者さんでの専門的なケアも「歯の根虫歯」におすすめです。セルフケアでは落としきれなかった汚れを専用の器具と技術でキレイにしていきます。歯茎の下がりを感じたらぜひ一度つくしの歯科にご相談ください。