みなさん、こんにちは！ 歯のケアはしていますか？

お口は消化器の入り口です。食べ物を噛み砕いて消化されやすい形にしたり、唾液と混ぜることで飲み込みやすくしたりと、胃腸での栄養吸収を助ける重要な役割を担っています。

食事は栄養やエネルギーを補い、心を豊かにします。そんな大切な食事ですが、現代社会の忙しさに朝食や昼食を抜いてしまったり、不規則な食生活を送ってしまったり、栄養が偏ってしまったり、家族みんなで食卓を囲むことが少なくなったりしています。

大切な「食」ですが、その「食」が疎かになってしまっている現状を変えるため平成19年に「食育推進宣言」が出されました。食育推進宣言の内容は以下になります。

1「食べ方」を通して、生涯にわたって安全で快適な食生活を営むことを目的とした食育を推進する。

2あらゆる場と機会を通して、口の健康を守り五感で味わえる食べ方ができる食育を推進する。

生涯を通して健康でおいしく食事を楽しむためには子供時代からの食育が大切です。食事をいつまでも楽しめるように今回は「正しい食べ方、噛み方」をテーマとします。

みなさんは食事の時に噛むことを意識していますか？ 子供の頃よく親御さんに「よく噛んで食べなさい」といわれて育った方は多いと思います。具体的に何回噛むのがいいのかは食品によって異なりますが、厚生労働省が推奨しているひと口に噛む回数は30回以上です。

たくさん噛むメリットはたくさんあります。唾液がたくさん出ることで虫歯や歯周病の予防になること、消化が助かり栄養の吸収が良くなること、満腹感を得られ肥満防止につながること、脳を刺激すること、心が安定することなどです。

健康的にダイエットをしたい方にも「よく噛むこと」はおすすめです。肥満防止には100回噛むと良いといわれています。たくさん噛むことで満腹中枢が刺激され、少ない食事量でお腹がいっぱいになります。高齢者や小さな子どもにとっては誤嚥や窒息の防止にもなります。

食べ方、噛み方はライフステージによって変化していきます。生まれたばかりの赤ちゃんは母乳やミルクを飲むことで必要な栄養を摂取します。生後5、6ヶ月頃になると離乳食がスタートします。なめらかにすりつぶした食事から舌でつぶせる固さの食事へ、続いて歯茎でつぶせる固さの食品に口の発達に合わせて徐々にステップアップしていきます。

前歯が生えてくると手づかみをしてかじり取れる固さ大きさの食事になります。乳幼児期は手を使って食べること、スプーンなどの食具を使って食べること、食べ物の味の違いや歯応えの違い、匂いの違いなど、五感を使うことで食事の楽しみを覚えていきます。

乳幼児期は味覚を育てる大切な時期です。素材本来の味を味わせてあげることが大切です。濃すぎる味付けのものを食べさせ続けると味覚が正常に発達しなくなってしまいます。乳幼児期は薄味を意識しましょう。

乳歯から永久歯に生え変わる時期は、乳歯と永久歯が混在したり、歯が抜けたりするため食べにくくなります。窒息事故が起きやすいのでこの時期は食べ方を特に注意しましょう。口唇をしっかり閉じて食べること、硬くて大きい食品や小さな硬い小片などは丸のみしないこと、噛む回数が少なくならないように特に注意すること、食事時間を長くとるなど、工夫していきましょう。生え変わり時期はカレーや肉じゃがなどの水分量が多く食べやすい食事がおすすめです。

永久歯に生え変わったら野菜や煮干しなどの食べ応えのある物を積極的に取りましょう。この時期によく噛む習慣を身につけると、顎が発達し歯並びが良くなリます。歯や骨の発育に不可欠な栄養素であるカルシウムとビタミンDを取ることもぜひ心がけてください。

噛むことはとても大切ですが、子供の食事は何より楽しく食べることが重要です。決まった時間に家族みんなで食卓を囲むことや、子供がリラックスして笑顔で食事できるよう環境を工夫しましょう。

大人になると仕事や家事、育児などの忙しさで食事に気が回らなくなってしまうことがあります。ストレスで過食になってしまったり、噛む回数が減少したり、早食いしてしまったりと食生活が乱れがちです。忙しい中でもよく噛むことや、栄養に気を付けるなど、できることをやっていきましょう。

高齢期は口をよく動かして唾液をたくさん出して食事をするように意識しましょう。また、ゆっくり落ち着いて集中して食べることが誤嚥防止にもなります。

食べ方、噛み方に不安がある方はつくしの歯科にご相談ください。お口の中の状態をチェックし、不安を解消できるようアドバイスさせていただきます。また、虫歯や歯周病のチェック、歯並びのチェックなども行なっています。