みなさん、こんにちは！ 歯のケアはしていますか？

歯を失った際の治療法として「インプラント」は非常に有効な選択肢です。1983年以降、チタン製インプラントが日本で普及し始めてから2025年の現在に至るまで日進月歩で技術は進化し続けています。

見た目や噛み心地が天然歯に近く、入れ歯のような違和感も少ないため、多くの人が希望する治療法となっています。しかし、万能ではなく「トラブル」が起こる可能性もあります。今回は、インプラント治療で起こり得る代表的なトラブルとその原因、予防法についてお伝えしていきます。

インプラント治療でよくあるトラブル

1. 骨との結合不良（オッセオインテグレーションの失敗）

インプラントは顎の骨と結合することで安定しますが、骨の質や量が不足している場合、結合が不十分となりインプラントがぐらつくことがあります。特に骨粗鬆症や喫煙習慣がある人はリスクが高まります。

2. インプラント周囲炎

歯周病に似た炎症で、インプラント周囲の歯肉や骨が細菌感染により破壊される状態です。進行するとインプラントが脱落することもあり、最も注意すべきトラブルの一つです。

3. 神経障害によるしびれ

下顎の神経に近い位置にインプラントを埋入すると、術後にしびれや麻痺が残ることがあります。術前の精密検査が不足している場合に起こりやすいトラブルです。

4. 上顎洞への影響

上顎にインプラントを埋入する際、上顎洞に突き抜けてしまい、炎症や感染を引き起こすケースがあります。特に骨量が少ない人は注意が必要です。

5. 人工歯の破損・脱落

噛み合わせの不具合や強い力が加わることで、被せ物が割れたり外れたりすることがあります。素材選びや噛み合わせ調整が重要です。

6. 長引く痛みや腫れ

通常は数日で治まる症状が、感染や不適切な埋入により長期化する場合があります。放置せず早めに歯科医院へ相談することが大切です。

トラブルの原因

・術前検査不足：骨量や神経位置の確認不足が大きなリスク要因。
・生活習慣：喫煙や糖尿病は感染リスクを高める。
・セルフケア不足：歯磨きや定期的なメンテナンスを怠ると炎症が進行。
・歯科医院の技術差：経験不足や設備不備による失敗例も存在。

トラブルを防ぐための予防法

・信頼できる歯科医院を選ぶ
実績や設備が整った医院を選ぶことが重要です。口コミや症例数を確認しましょう。

・術前の精密検査
CT撮影などで骨や神経の位置を正確に把握することが不可欠です。

・持病の申告
糖尿病や心疾患などは必ず伝え、適切な対応を受けることが安全につながります。

・定期メンテナンス
術後は半年〜1年ごとのチェックを欠かさないことが、長期安定の鍵です。

・日常のセルフケア
歯磨き、フロス、禁煙など基本的な習慣が予防につながります。

トラブルが起きたときの対応

1,まずは治療を受けた歯科医院へ相談
症状が軽度でも早期対応が重要です。

2,セカンドオピニオンを活用
他院での診断を受けることで安心感を得られます。

インプラントは「入れて終わり」ではなく、長期的なメンテナンスが必須の治療です。天然歯と違い、インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯肉や骨は細菌感染に弱いため、歯周病と同じようにケアが必要です。

特に高齢者は免疫力の低下や持病の影響で炎症が進行しやすく、注意が求められます。また、インプラントは高額な治療であるため、費用面の理解や契約内容の確認も欠かせません。治療前に「保証期間」や「メンテナンス費用」についても確認しておくと安心です。

インプラントは高い成功率を誇る治療法ですが、固定不良・感染・神経障害・人工歯の破損など多様なトラブルが起こり得ます。その多くは、術前検査・生活習慣改善・定期メンテナンスによって予防可能です。万一トラブルが発生した場合は、早期に歯科医院へ相談し、必要に応じてセカンドオピニオンや公的機関を活用することが安心につながります。

インプラントを「長く安心して使う」ためには、治療後の生活習慣や定期的なケアが欠かせません。治療を検討している方は、メリットだけでなくリスクや予防法も理解したうえで選択することが大切です。

インプラントを検討している、また、困っている方はぜひつくしの歯科にご相談ください。当院では丁寧なカウンセリングや精密検査をしてからインプラント治療を開始します。インプラント装着後はトラブルなく長持ちさせるためにプラークコントロールや咬み合せの調整などを行なっています。また、他院でのインプラント治療後のご相談などにも対応しています。