保険適用で耐久性に優れる銀歯! メリットとデメリットを徹底解説
- 2025年12月15日
- 審美歯科
みなさん、こんにちは! 歯のケアはしていますか?
一年間の終わりが近づいてきました。みなさんにとって今年はどんな年だったでしょうか。歯科業界は、デジタル技術の導入、予防歯科の推進など、さまざまな変化がある年でした。
本年のブログ記事はこの投稿が最後となります。今年一年お付き合いくださってありがとうございます。来年もためになる情報を発信していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今年最後のテーマは「銀歯」です。日本の歯科治療において銀歯は非常に身近な存在です。虫歯治療を受けた方の多くが一度は銀歯を入れた経験を持っているでしょう。保険診療で広く使われてきたため「標準的な治療」として認識されています。
しかし、近年はセラミックやジルコニアなどの審美性に優れた素材が普及し、銀歯のメリットとデメリットを改めて考える必要が出てきました。今回は、銀歯の特徴を歴史的背景から最新の治療事情まで整理し、患者さんが納得して選択できるような情報を提供します。
銀歯の歴史と普及の背景
銀歯が日本で広く使われるようになったのは、国民皆保険制度の影響が大きいです。1960年代以降、誰もが安価に歯科治療を受けられるようになり、耐久性が高く加工しやすい金属材料が標準化されました。
特に奥歯は噛む力が強いため、セラミックよりも金属の方が割れにくく、長持ちするという理由で銀歯が選ばれてきました。
銀歯のメリット
・費用が安い(保険適用)
自費診療のセラミックは1本5〜10万円以上かかることもありますが、銀歯なら数千円〜1万円程度で済みます。家計に優しい選択肢です。
・耐久性が高い
金属は硬く、奥歯の強い咬合力にも耐えられます。10年以上使用できるケースも多く、長期的に安定しています。
・治療が短期間で完了
保険診療で標準化されているため、型取りから装着までの流れがスムーズです。
・適応範囲が広い
虫歯が大きい場合や複雑な形状でも対応可能。加工性に優れているため、歯科医師にとっても扱いやすい素材です。
銀歯のデメリット
・見た目が目立つ
笑ったときに銀色が見えると「治療した歯」という印象が強く、審美的に気になる方が多いです。
・金属アレルギーのリスク
ニッケルやパラジウムなどが唾液に溶け出し、皮膚炎や口内炎を引き起こす可能性があります。長期間使用で発症するケースもあります。
・歯茎の黒ずみ(メタルタトゥー)
金属成分が歯茎に沈着し、黒ずみを生じることがあります。特に前歯では大きな審美的問題になります。
・経年劣化による腐食や変色
7〜10年ほどで劣化が進み、再治療が必要になる場合があります。
・二次虫歯のリスク
接着性が弱いため、隙間から細菌が侵入し虫歯が再発することがあります。
他素材との比較
〇銀歯は保険適応されて安価です。しかし、銀色で目立つというデメリットがあります。耐久性は高いですが、劣化があります。また、虫歯リスクが高めです。歯茎への影響として黒ずみの可能性があります。
〇セラミックは自費診療で高額ですが、天然の歯に近い見た目になります。耐久性は高いですが割れるリスクがあります。二次虫歯のリスクは低めで、歯茎への影響はありません。
〇CAD/CAN冠は一部条件がありますが保険適応可能です。見た目は白色ですが少し不自然な色合いです。耐久性は銀歯より弱く、二次虫歯へのリスクは中程度です。歯茎への影響はほぼありません。
〇ジルコニアは自費診療で高額です。色味は天然歯に近いですが、透明感はやや劣ります。耐久性はひじょうに強く、二次虫歯のリスクが低いです。歯茎への影響はありません。
e-maxは自費診療で高額です。見た目は天然の歯に近く、透明感もあります。強度はセラミックよりは高いですが、ジルコニアには劣ります。二次虫歯のリスクは低く、歯茎への影響はありません。
実際のケーススタディ
費用を優先する30代男性は虫歯治療で銀歯を選択しましたが、笑った時に銀歯が見えるのが気になり後にセラミックへ交換しました。
アレルギー体質の40代女性は銀歯を入れて数年後に皮膚に湿疹が出て金属アレルギーと診断されました。その後セラミックに変更して症状が改善されています。
70代の男性は30年以上銀歯を使用していました。耐久性は十分でしたが、歯茎の黒ずみが目立ち、審美的に不満を持つようになり違う素材にしようかと検討中です。
家族の健康設計の視点
銀歯は「安価で耐久性がある」という点で家計に優しい選択肢です。しかし、長期的に見れば審美性や健康リスクを考慮する必要があります。例えば、子供の成長期には費用を抑えるため銀歯を選び、大人になってから審美性を重視してセラミックに交換するというライフプランも考えられます。
家族全員の健康を守るためには、「費用」だけでなく「将来の見た目や健康リスク」も含めて判断することが大切です。
銀歯は保険適用で安価かつ耐久性に優れる一方、見た目や金属アレルギーなどの課題もあります。選択の際には「費用」「審美性」「健康リスク」のバランスを考えることが重要です。
つくしの歯科は、患者さんと費用面や見た目など総合的に相談しながら、最適な治療方法を提案しています。単に「安いから銀歯」「見た目が良いからセラミック」といった一方的な選択ではなく、患者さんのライフスタイルや将来の健康リスクまで含めて考えるのが特徴です。
例えば、学生や子育て世代には費用を抑えた保険診療を中心に、将来的に審美性を重視するタイミングでセラミックへの交換を検討するプランも提示します。一方で、人前に立つ機会が多い職業の方には、見た目の自然さを優先した治療を提案するなど、状況に応じた柔軟な選択肢を用意しています。
また、銀歯のメリット・デメリットを丁寧に説明し、患者さん自身が納得して選べるようにサポートすることを大切にしています。治療後のメンテナンスや再治療の可能性についても事前に伝えることで、「入れて終わり」ではなく「長く健康を守るためのパートナー」として寄り添う姿勢を持っています。
補綴治療でお悩みの方や現在の口腔状態に不安がある方はぜひ一度つくしの歯科にご相談ください。
今年一年、当ブログを読んでくださった皆さまに心より感謝申し上げます。歯やお口の健康について少しでもお役に立てていたら嬉しく思います。来年も皆さまの笑顔を守る情報をお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。