歯が痛い、しみる!知覚過敏の症状や治療法とは
- 2024年10月15日
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みなさん、こんにちは! 歯のケアはしていますか?
ある日突然、歯がしみたり、痛みを感じたりすることがあります。その原因が虫歯や歯周病ではないとしたらそれは「知覚過敏」かもしれません。
知覚過敏の症状は突発的で一過性です。歯ブラシの毛先が触れたときやフロス、歯間ブラシに触れたとき、冷たかったり温かかったりする飲食物が触れたとき、甘いものが触れたとき、風に当たったときなどに「キーン」としみるような痛みを感じます。虫歯や歯の神経(歯髄)の炎症など、病変がない場合、その痛みは知覚過敏です。
知覚過敏の正式名称は「象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)」といいます。健康的な歯の表面には痛覚がないため、ある程度なら刺激を受けても痛みを感じることはありません。
歯の構造はエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄の4つの層からなっています。エナメル質は人体の中で最も硬い組織で、歯の頭の部分だけを包み込むような形になっています。象牙質は、歯の大部分を構成している組織です。歯冠部をエナメル質、歯根部をセメント質で覆われています。中心部には歯の神経である『歯髄』という大切な組織を入れる歯髄腔が存在します。
この象牙質には象牙細管という細かい管があり、歯髄からエナメル象牙質境まで放射状に向かって走っています。象牙細管は、歯の神経にある血管やリンパ管から栄養を送っています。象牙質の役割は、象牙質の形成や維持を行なうこと、象牙質表面からの刺激を歯髄まで伝えること、歯髄の組織を象牙質内に取り込むことです。
通常、象牙質はエナメル質で覆われているため、象牙細管に外部からの刺激が伝わることはあまりありません。しかし、何らかの原因でエナメル質が剥がれてしまって象牙質が露出すると、外部から受けた刺激を神経に伝えてしまうことがあります。歯の神経は象牙細管を通して受けた刺激をすべて痛みに変換してしまうため痛みが生じます。
知覚過敏になる原因は、加齢による歯肉の退縮や打撲などによる歯の破折、歯が擦り減ることによる象牙質露出、歯が溶けることによる象牙質露出、むし歯の治療によるもの、ホワイトニングによるものなどがあります。
知覚過敏の治療法は、進行具合により異なります。軽度なものは時間とともに自然に消失することもあります。象牙質の露出している部分に唾液や歯磨き粉などの再石灰化成分が付着し、再石灰化するためです。逆に歯磨きをしないとプラークが歯に付着し、酸により歯を溶かしてしまいます。エナメル質が溶かされて象牙質が剥き出しになると知覚過敏になってしまうため、歯磨きをすることが軽い知覚過敏にはとても有効な治療方法となります。
神経に痛みの信号を送らせないようにする治療方法もあります。歯の神経の周囲にカリウムイオンが多いと神経の細胞が興奮しにくくなるということを利用し、硝酸カリウムという成分を含んだ歯磨き粉を継続的に使用することで、知覚過敏の改善を促します。
露出した象牙質内部の小さな空隙を何らかの材料で封鎖する方法もあります。歯の神経への刺激の伝達が遮断され、知覚過敏による痛みがなくなります。この材料は歯医者さんで塗布するか、象牙質内部の小さな空隙を封鎖する歯磨き粉を使用する方法がありますが、歯医者さんで塗布する方法の方が効果的で即効性があります。
象牙質の露出部分を被覆して知覚過敏の痛みをなくす方法もあります。露出部分に専用の接着材を用いて樹脂による薄い皮膜を形成します。
知覚過敏の痛みが一過性ではなく比較的長いような場合や、痛みが激しい場合、歯の神経に炎症が起きていることがあります。なるべく神経を抜く治療は避けた方がいいですが、生活がままならないほど痛む場合は歯の神経を取り除く治療をすることもあります。
知覚過敏の完全な予防方法は特にありません。歯や歯肉が健康な方でも加齢によって歯肉が退縮してしまうこともあります。加齢による退縮は完全には防ぐことができません。完全な予防はありませんが、歯周病を予防することと、正しい歯磨きを行なうことが知覚過敏を防ぐのに有効です。要するに、虫歯と歯周病を防ぐことが知覚過敏予防になります。
また、知覚過敏を放置してしまうと虫歯や歯周病などに病状が悪化してしまうことがあります。歯に痛みを感じたらなるべく早めに歯医者さんに行きましょう。
つくしの歯科では知覚過敏に対して専用の薬剤を塗布する治療や、剥き出しの部分が大きい場合には虫歯治療に使用する材料を使って剥き出し部分を修復する治療などを行なっています。知覚過敏でお困りの方は当院にぜひご相談ください。