あなたの舌は大丈夫? 知っておきたい腫瘍の知識
- 2025年5月16日
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みなさん、こんにちは! 歯のケアはしていますか?
舌には、食事の味覚を感じるほかに、咀嚼や嚥下を助ける機能、そして言葉を発する重要な働きがあります。普段、意識することなく何気なく使っている舌。そんな舌に異変を感じたら、少し不安になります。
舌にできる腫瘍には、良性のものから悪性のものまでさまざまな種類があります。
今回のテーマは、舌にできる腫瘍についてです。腫瘍の種類、症状、そして治療法について詳しく説明していきます。症状によっては病気の早期発見と適切な対応が重要になります。ぜひ最後までお読みください。
〇舌にできる腫瘍の種類
風邪をひいたり疲れたりすると口の中に口内炎ができるように、実は舌も体調に影響されやすい器官です。歯並びの悪さ、くいしばりの強さ、義歯不適合、歯の鋭縁などで傷がつきやすく、慢性的に刺激が加わると細胞が異型化し腫瘍になります。
舌の腫瘍は大きく分けると、良性腫瘍と悪性腫瘍(舌がん)の2種類です。
良性腫瘍は、周囲の組織に浸潤したり、他の部位に転移したりすることはありませんが、大きくなると食事や会話に影響が出ることがあります。
一方、悪性腫瘍である舌がんは、進行すると周囲の組織を破壊し、リンパ節や他の臓器に転移したりする可能性があります。
〇舌にできる良性腫瘍の主な種類と症状
舌にできる良性腫瘍はさまざまですが、代表的なものとして以下のようなものがあります。
・乳頭種:イボのような見た目で、白色の突起が集合している、表面がザラザラとしている場合が多いです。喫煙やウイルス、慢性的な刺激などの原因が考えられ、痛みを感じることはあまりありません。触ると気になるため、手術での除去が一般的です。
・血管腫:淡い青色~暗紫色のよう見た目をしています。特徴としては、圧迫しながら触ると血液が貧血状態になり退色します。痛みはありませんが、膨らんでいるため違和感があり、誤って噛んでしまうことがあります。除去は手術やレーザー治療が一般的です。稀に再発してしまうこともあります。
・リンパ管腫:リンパ管の増殖からなる腫瘍状病変です。組織奇形や過誤腫的な病変とされ、小児に好発します。舌が大きくなる(巨舌症)、大唇症(巨唇症)などで舌の動きが制限されます。舌の表面に水疱状の腫れが出ることも特徴のひとつです。治療は経過観察、手術、硬化療法、漢方薬などがあげられます。
・神経線維種:単発性と多発性があります。20~40歳に多く、カフェオレ班が見られます。基本的には無痛であり、痛みを感じることは少ないです。腫瘍のサイズが大きくなると不快感を覚えることがあります。外科的切除によって簡単に取り除くことができ、再発は少ないです。
良性腫瘍の場合、初期には自覚症状がないことがほとんどです。大きくなると異物感や圧迫感を感じることがあります。
〇舌にできる悪性腫瘍(舌がん)の主な種類と症状
舌にできる悪性腫瘍のほとんどは扁平上皮がんです。初期には口内炎と間違われやすいことがありますが、以下のような特徴がみられます。
・治りにくい
・しこりがある
・出血する
・進行すると痛む
・嚥下が困難になったり、構音障害がある
・頸部リンパ腫が腫れる
上記の症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。悪性腫瘍は命にかかわるため、早期発見が肝心です。
〇舌の腫瘍の診断方法
舌の腫瘍の診断は、視診や触診によって行われます。疑わしい病変が見つかった場合には、さらに詳しい検査が行われます。
・生検:腫瘍の一部を採取し、細胞を調べます。良性か悪性かを確定するためとても重要な検査です。
・画像検査:腫瘍の広がり、周囲の組織への影響を調べます。
・内視鏡検査:口腔内全体を調べるために行なわれます。
〇舌の腫瘍の治療法
舌の腫瘍の治療法は、腫瘍の種類(良性・悪性)、大きさ、進行度などによって異なります。
良性腫瘍の場合、必ずしも治療が必要とは限りません。しかし、日常生活に支障がある場合や、見た目に問題がある場合には、手術による切除が行なわれます。
悪性腫瘍の場合は、手術療法、放射線療法、化学療法、分子標的治療などが行なわれます。治療法の選択は、がんの進行具合や患者さんの全身状態などを考慮して決定されます。
〇早期発見の大切さ
舌の腫瘍、特に舌がんは、早期に発見し適切な治療を行なうことがとても重要です。日頃から鏡で舌の状態をチェックする習慣をつけ、気になる症状があれば、ためらわずに歯医者さんを受診しましょう。
舌にできる腫瘍は、良性・悪性さまざまですが、早期発見と適切な対応が大切です。舌について不安がある方は口腔外科専門の医師が常駐しているつくしの歯科にご相談ください。