親知らずは抜くべき? 残すべき? ~知っておきたい親知らずの基礎知識~
- 2025年5月1日
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みなさん、こんにちは! 歯のケアはしていますか?
今回は、患者さんからの相談でも特に多い「親知らず(おやしらず)」についてご紹介します。当ブログでこれまで何回か親知らずについてご紹介してきましたが、今回は抜くべきか抜かざるべきかについてです。
まずは親知らずってどんな歯なのか、からご説明しましょう。
親知らずとは、一番奥に生える永久歯のことで、正式には「第三大臼歯」といいます。
通常、17歳~25歳ごろに生えてくるため、親の手を離れてから生えてくる歯=親が知らない歯という意味で「親知らず」と呼ばれています。
上下左右の4本がそろっている方もいれば、1本も生えてこない方もいて、生えるか生えないかは人それぞれです。それに、生え方にも個性があります。
ある程度の年齢まで生えない一番後ろに生える親知らずですが、抜いた方がいいかについてご説明します。当院でもよく「親知らずって絶対抜いた方がいいんですか?」というご質問を受けます。
結論から言ってしまうと、ケースバイケースで、親知らずを抜いた方がいい人と抜かない方がいい人がいます。
ただし、次のようなケースでは抜歯をおすすめすることが多くなります。
抜いた方がいい親知らずとは?
1. 横向きや斜めに生えている
正常に生えず、横や斜めに埋まっていると、手前の歯(第二大臼歯)を押して歯並びを乱す原因になります。それに、歯と歯の間に汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが上がります。
2. 磨きにくく、虫歯や炎症を繰り返す
親知らずが一部だけ歯ぐきから顔を出している場合、歯ブラシが届きにくくブラッシングが難しくなります。結果的に虫歯や歯ぐきの腫れ(智歯周囲炎)を何度も繰り返すことがあります。この場合、放置せず抜歯を検討するのが望ましいです。
3. 噛み合わせに悪影響を及ぼす
上下の親知らずの位置が合っていない場合、噛み合わせが悪くなったります。さらに、頬や舌を傷つけることもあります。
抜かなくてよい親知らずとは?
次のような親知らずは、無理に抜く必要はありません。
●まっすぐきれいに生えている
●噛み合わせがしっかりしていて、他の歯と同じように使える
●虫歯や歯周病のリスクが少ない
●将来、ブリッジや移植に使う可能性がある
このように、親知らずの状態によって、残すべきか抜くべきかは大きく変わります。自己判断せず、歯医者さんでレントゲン検査などを受けて歯科医師に相談することが重要です。
抜歯を選択した方がいい場合の抜くタイミングですが、実は適した時期というものがあります。腫れや痛みといった症状がなく、なんらかのトラブルが起きる前に抜く方が、治りも早く、リスクも少ない傾向があります。年齢もなるべく若いうちに抜く方が負担が少ないです。
というのも、年齢が若いと顎の骨が柔らかいため抜歯が比較的スムーズで、術後の痛みや腫れも穏やかになるからです。それに回復も早い傾向にあります。さらに、将来的に起こり得るトラブルを回避することもできます。
抜歯の日ですが、以下の点にも注意が必要です。
●体調がよい時期を選ぶ(熱がある体調がすぐれない場合、抜歯を延期することがあります)
●仕事や予定に余裕のある週を選ぶ(腫れや痛みで仕事や学業などに集中できないこと、旅行などを楽しめないことがあります)
抜歯後は、2〜3日ほど腫れたり、痛みが出たりする場合もあります。事前にスケジュールを立てておくと安心です。おすすめは長期休暇の休暇日初日です。抜歯後が心配な方は通院している歯医者さんが休診日になる前は避けた方がいいでしょう。
親知らずを抜くのが怖い方は多くいらっしゃいます。「痛そうで不安…」「腫れたらどうしよう」という悩みでなかなか抜歯に踏み切れないことがあります。
しかし、昔と違い近年は麻酔の技術や抜歯の手法も進歩しており、痛みや不快感はかなり軽減されています。
当院では事前のカウンセリングや丁寧な説明、アフターケアを大切にしています。抜歯前に強い不安があった方も終わってみたら「こんなかんたんだったんだ」とびっくりされる方もいらっしゃいます。
親知らずについて不安なこと、自分の親知らずはどうなっているのか気になった方など、親知らずについては口腔外科の経験豊富な歯科医師が在籍している当院にお気軽にご相談ください。
親知らずは「相談」が肝です。
親知らずは、いつの間にか生えてくる歯で、痛みや違和感を感じない限り意識することがありません。トラブルがないため問題ないと思っていてもレントゲンで異常が見つかることがあります。
自分の親知らずの状態を知ることで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。歯の定期検診と合わせてぜひ一度歯医者さんで確認してみましょう。